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15 April 2021

日本における「色彩(一色)のみの商標」の取扱 日本特許庁・ルブタン事件の進展

KP
Kimura & Partners
Contributor
Kimura & Partners
但し、日本では「複数色の色彩の商標」は登録されているが、未だ「一色のみの商標」の登録例はない。
Japan Intellectual Property
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2017年4月1日より、法改正によって日本でも色彩のみからなる 商標の登録されるようになった。これにより欧米と同様に日本でも色彩のみにより構成された商標の登録例が増加しつつある。日本特許庁には、2020年現在、104件の「色彩のみの商標」の登録がある。但し、日本では「複数色の色彩の商標」は登録されているが、未だ「一色のみの商標」の登録例はない。

現在、複数の一色のみの商標の出願が特許庁・商標部門において審査中であり、その中にはフランスの有名な婦人靴メーカーであるクリスチャン・ルブタン氏による「レッドソール」に関する商標出願もある。周知のように、クリスチャン・ルブタンのブランドは、ルブタン氏の赤い靴底のハイヒールをハリウッドセレブが好んで履いたことから、欧米においては有名で既に色彩のみの商標として登録になっており、日本でも法改正を待っ
て出願されたものである。

これに対し、日本の婦人靴メーカー等が「靴底に赤い色彩を施すことは商慣習上、歴史的に日本では行われてきており、識別力はない。登録は既得権を害する」 旨の情報提供を行っている。日本特許庁は、単一色のみからなる商標に関しては、「原則登録を認めない。但し、使用により識別力の発生が証明されれば登録する」という立場をとっている。

審査において拒絶理由通知が出され、ルブタン氏側は「レッドソールを持つハイヒールはルブタンのものとして日本でも有名である」旨の主張、立証を行ったが、日本特許庁は拒絶査定をしており、現在、ルブタン氏は審判請求を行い、特許庁における第二ラウンドが始まっている。今後の進展が興味深い。

The content of this article is intended to provide a general guide to the subject matter. Specialist advice should be sought about your specific circumstances.

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